Ⅱ.所見からみた診断の進め方
6 水晶体 1)水晶体混濁
松島 博之
1
1獨協医科大学眼科学教室
pp.1239-1243
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000857
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若手の白内障所見の記載を見て白内障を+−のみで表示していて愕然とすることがあった。水晶体の混濁を白内障の有無の2択のみで考えてはいけない。水晶体混濁の部位と程度により,視機能への影響しやすさもある程度判定できる。また,手術適応となった場合,事前に水晶体混濁の情報を詳しく観察することで,手術の難易度も判定でき,術前から手術戦略を立てることができる。白内障を診断するうえでは,主訴と既往も診断の助けとなる。白内障が原因の視力低下の場合はゆっくり進行してきていることが多く,急激な視力低下の場合は他の疾患を考える。片眼の複視は白内障が原因であることが多く,運転時に車線がだぶって見えるとか信号の矢印が見難くなった等を訴える場合がある(図1)。次に水晶体の観察が重要となる。
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