特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
2.治療に必要な基本技術
水晶体疾患の治療
水晶体脱臼の治療
德田 芳浩
1
1井上眼科病院
pp.236-237
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907076
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はじめに
チン小帯脆弱と断裂でも,すでに水晶体亜脱臼(図1)に進展していれば,経毛様体扁平部水晶体切除か水晶体全摘出術を行って眼内レンズ(intraocular lens:IOL)を縫着するのが一般的であり,超音波乳化吸引術に挑戦することは絶対禁忌である。運良く水晶体嚢を残し,IOLを嚢内固定してハプティクスで赤道部を伸展する試みも,長期予後は不良である。
従来の水晶体嚢拡張リング(以下,通常リング)は,術中の水晶体嚢虚脱には有効であるが,術後に嚢の偏位,亜脱臼,硝子体腔落下もありうる。現段階では全摘+IOL縫着が最も安全で標準的な術式であろうが,オプションとして水晶体嚢縫着固定リング(以下,縫着リング)を紹介する。
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