特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
救急
眼科救急外来
矢部 比呂夫
1
1東邦大学医学部眼科学第二講座
pp.169-175
発行日 1999年9月30日
Published Date 1999/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906566
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眼科救急外来での心構え
眼科救急外来を訪れる患者のうちの大半を占めるのは外傷性疾患であるが,実際にはコンタクトレンズによる角膜上皮障害などの軽微なものがほとんどである。しかし軽微な疾患であっても,患者にとっては眼の異常からくる不安感は想像を超えたものであり,患者は失明の危険さえ感じて気が動転していることが少なくない。また医療サイドにとっても,大多数は緊急性の低い疾患であるものの,一部の症例は救急処置を誤ると失明に至る危険性があることを常に念頭に置かなければならない。眼科救急外来の診療に当たっては常に落ち着き,患者との信頼関係を維持して冷静に対処することが重要である。治療に際しては受傷状況および緊急性を的確に把握し,疾患の緊急性,救急医療計画,予後までを含む的確なインフォームドコンセントが求められる。
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