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特集 第52回日本臨床眼科学会講演集(1)
特別講演
視覚性認知の高次障害
Higher function disorders of visual cognition
山鳥 重
1
,
鈴木 匡子
1
,
田淵 実治郎
1
Atsushi Yamadori
1
,
Kyoko Suzuki
1
,
Michio Tabuchi
1
1東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学
pp.251-257
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906213
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はじめに
外界に関する視覚情報は,網膜受容器で光情報から神経情報に変換され,視神経を経て外側膝状体でシナプスを変え,視放線を経て,大脳皮質に入る。大脳皮質に入った神経情報はさらにいくつもシナプスを変えつつ,複雑な処理を受ける。こうして処理された神経情報は,最終的には心理表象に変換されて,われわれの経験となる。大脳損傷によるさまざまな視覚症状の研究は,こうした視覚系の情報処理メカニズムの解明に重要な手がかりを与えてくれる。ただ,臨床研究だけでは方法に限界があり,単なる症状記載にとどまってしまう。どうしても,他の分野,特に神経生理学の研究の進歩に学びつつ,臨床研究を進めていかなければならない。この点,近年の視覚神経生理学の研究の進歩には著しいものがあり,臨床症状の理解に大きく貢献している。本講演では,視覚の神経生理学の最近の成果に導かれて,複雑で羅列的であった臨床症状が,どこまで整理できつつあるかをお示ししたい。
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