特集 眼科検査法を検証する
Ⅴ.網膜・硝子体疾患
硝子体観察法
山本 禎子
1
,
竹内 忍
1
1東邦大学附属佐倉病院眼科
pp.181-184
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906103
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網膜硝子体疾患の病態を把握する上で硝子体の状態を知ることは極めて重要であり,このために種々の検査装置が開発されている。しかし,日常の外来診療では裂孔原性網膜剥離をはじめとして糖尿病網膜症,黄斑円孔と,硝子体観察が要求される症例はおびただしい数であり,各症例ごとに煩雑な準備や操作が必要な検査機器を用いて観察することは不可能に近い。実際,多くの臨床家がルチーンに行っている検査法が細隙灯顕微鏡による観察であり,また,その使用法を熟知すればかなりの情報量が得られるはずである。細隙灯顕微鏡では顕微鏡によって得られる拡大像を直接に観察するので,硝子体中の線維,細胞,色素や網膜,毛様体の正常,異常所見など,他の検査法では観察できない微細な生体組織所見を得ることができる。この点で,細隙灯顕微鏡による硝子体検査法は,現在においてもなお,他の新しい高度な技術を駆使して造られた検査機器に首位の座を譲っていない。ここでは,倒像鏡による眼底,硝子体検査や超音波による観察は他項に譲り,主に細隙灯顕微鏡を用いた硝子体観察法について述べる。
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