今月の表紙
網膜色素条症(angioid streaks)
宇山 昌延
1
1関西医科大学眼科
pp.999
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905902
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全身の弾性線維,膠原線維を侵す系統疾患の部分症状が眼底にあらわれる。Bruch膜の主構成要素は弾性線維と膠原線維であるから,それが変性する結果,Bruch膜に断裂や亀裂を生じる。その部の上の網膜色素上皮は萎縮したり反応性に増殖する。それが眼底では視神経乳頭縁から稲妻状に走る黒色や黄白色の線として見え,色素線条と呼ばれる。赤道部の網膜は黒ずんだ顆粒状を示し,梨子地状眼底を示すことが多い。身体では屈伸運動が多い部の皮膚(側頸部,肘窩,膝窩など)がなめし皮状に見え,弾力線維性仮性黄色腫になる。全身症状がそろうとGranblad-Strandberg症候群と呼ばれる。色素線条が中心窩に延びると脈絡膜新生血管を生じやすく,加齢黄斑変性様の病変を生じる。また,鈍傷を受けると脈絡膜から網膜下へ大量の出血を生じやすい。
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