特集 オキュラーサーフェスToday
Ⅱ ドライアイとオキュラーサーフェス
オキュラーサーフェスと皮膚
高村 悦子
1
1東京女子医科大学眼科学教室
pp.80-84
発行日 1997年10月20日
Published Date 1997/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905604
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オキュラーサーフェスは,角膜上皮と結膜上皮およびそれらの表面を覆う涙液膜によって構成されている。オキュラーサーフェスも皮膚も体表面を覆い,外界の物質から体内の器官を保護するという働きがあるのと同時に,病原体やアレルゲンなど,環境要因の影響を最も受けやすいところに位置している点がどちらにも共通している。
一方,相違点としては,皮膚が最表層に角質を有する角化する扁平上皮であるのに対し,オキュラーサーフェスを構成する角膜と結膜は正常では角化しない扁平上皮ということがあげられる。また,眼表面は涙液に覆われており,涙液が粘膜への水分を供給しているが,皮膚では,最表層の角質の中にある自由水が皮膚の潤いを保つ機構に一役買っている。このように,皮膚とオキュラーサーフェスには,構造上にも類似点があり,両者を比較することはオキュラーサーフェス疾患の病態解明,診断,治療の助けとなる上可能性がある。
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