特集 オキュラーサーフェスToday
巻頭言
いまオキュラーサーフェスが面白い
大野 重昭
1
1横浜市立大学医学部眼科学教室
pp.6-7
発行日 1997年10月20日
Published Date 1997/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905582
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1.はじめに
学問,研究の世界にも時代の流れによって,はやり,すたりがあることは否めない。眼科の世界でも19世紀末から20世紀前半の眼感染症の全盛時代から,新たな眼生理学,眼病理学の研究へと移行し,この領域で臨床に直結した大きな進展がみられた。日本の眼科の歴史を詳細に記載した『日本眼科学会百周年記念誌』全7巻を見れば,この間の変遷の様子は一目瞭然である。
結膜や角膜,涙液層といった眼表面の生理,病理を個別にみるのではなく,全体としてとらえようという,いわゆる「オキュラーサーフェス」の概念が提唱されたのは1970年代後半のことである。それまでは必ずしも眼科の主流を占めていなかったこの領域は,近年,他の医学生物学の進歩と相まって著明な発展をとげ,いまや眼科における最もホットな話題がいっぱいの若々しい学問研究領域となっている。この勢いは来世紀になってもしばらくは衰えそうにない。
いまオキュラーサーフェスが面白い。
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