今月の表紙
視神経乳頭出血を示した原田病
大野 重昭
1
1横浜市立大学眼科
pp.1658
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905564
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症例は56歳の男性。2週間前から発熱,頭痛,難聴,および両眼の霧視が出現したVogt—小柳—原田病(原出病)の典型例である。髄液検査では375/3mm3と細胞増多を示し,HLA検査ではHLA—DR4,DR53が陽性であった。初診時視力は右0.02(n.c.),左0.01(n.c.)であり,両眼の前房内にはフレア1+,炎症細胞3+がみられた。
写真は右眼底の後極部である。視神経乳頭は発赤,腫脹し,境界不鮮明であった。そして乳頭および乳頭周囲網膜に放射状に浮腫を伴った線状の出血がみられた。黄斑部には漿液性網膜剥離がみられ,螢光眼底造影検査で螢光色素が貯留した。後極部の網膜下には顆粒状の黄白色斑が多数散在していた。これらの所見は左右ともほぼ同様であった。
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