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超音波生体顕微鏡(UBM)と隅角
岸 厚至
1
Atsushi Kishi
1
1宮崎医科大学眼科学教室
pp.118-119
発行日 1996年10月20日
Published Date 1996/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905111
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緑内障の診断,治療は,眼圧,視神経乳頭の脆弱性,視野および隅角の評価から始まっていく。これまで隅角検査,圧迫隅角検査に頼っていた隅角の評価が,UBM (ultrasound biomicroscopy)の出現によって,よりわかりやすくなってきた。特に閉塞隅角の解剖学的レベルでの問題点が明らかとなってきた。筆者らの施設でも,1994年からハンフリー社のUBMモデル840を緑内障のみならず,その他の疾患にも用いている。UBMで得られる隅角についての情報やその意義について,最近の文献や筆者らの経験を紹介する。
閉塞隅角を解剖学的に分類すると,瞳孔ブロックによるもの,毛様体によるもの,水晶体およびチン小帯によるもの,水晶体より後方に原因があるもの,の4つになる。日常診療での印象として,正常な人でも年齢が高くなるほど隅角が狭くなっているように感じる。Chiharaら1)は,日本人90例90眼で,iridocorneal angleが年齢とともに狭くなり,前房の深さも減少することを認め,瞳孔ブロックは50歳以下ではみられないが,70歳を越えると約50%に認められることを発表している。
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