特集 緑内障Today
Ⅱ 確定診断を得るために
緑内障と間違えやすい視神経疾患
吉富 健志
1
Takeshi Yoshitomi
1
1北里大学医学部眼科学教室
pp.81-84
発行日 1996年10月20日
Published Date 1996/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905097
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はじめに
近年,正常眼圧緑内障が40歳以上の人口の2.19%をも占めることが明らかになり1),今まで見逃されていたこの疾患が数多く見つかるようになってきたのは喜ばしいことである。ただし正常眼圧緑内障が予想よりはるかに多いことが明らかになるにつれ,少し安易に診断し過ぎるのではないかと思われる例も経験するようになった。正常眼圧緑内障の診断はあくまでも除外診断であり,他の視神経疾患を除外して初めてなされるものであることを忘れてはならない。眼圧が診断の根拠にならない以上,視神経乳頭と視野の所見が非常に重要な意味を持ってくる。視神経萎縮や視野異常をきたす疾患は緑内障の他にもたくさんある。その中には診断が遅れると生命予後にも関係する頭蓋内腫瘍も含まれているので,このことは常に心に留めておかねばならない。
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