Siesta
巨人ファン
T.M.
pp.81
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904030
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子供の頃,後楽園球場の3塁側で,よく巨人戦を観た。私の目の前に3塁手長嶋茂雄がいた。3遊間の鋭いゴロ,横っとびにつかんでランニングスロー。かっこよかった。クラスの英雄は,野球のうまい4番でピッチャーの子であった。みんな,巨人のマークのついた野球帽をかぶっていた頃である。長嶋が去り,江川や桑田の騒動があり,大人の議論になってきて,純粋に巨人が好きだった子供の頃の気持ちがしぼんできていた。巨人の成績もいまひとっぱっとしなかった時期でもある。
1993年Jリーグができた。日本中がサッカーにわきかえり,私もワールドカップ予選を深夜まで観て,悪夢の最終戦も経験した。ああ,自分はサッカーが好きなんだ,野球一筋にみたいにきたけれど本当は野球ファンじゃなかったんだと思っていた。
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