Siesta
散瞳不良
西村 哲哉
pp.159
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901932
- 有料閲覧
- 文献概要
散瞳の悪い目はわれわれ眼科医を常に悩ませる。特に眼底疾患を専門にしているとなおさらで,こんな虹彩などなければよいのに,とさえ思えてくる。手術に際しても白内障,網膜剥離,硝子体手術と,散瞳が悪いだけで手術の難易度が数段高くなり,合併症の発生率も然りである。
十数年前までは,超音波白内障手術や硝子体手術に際しては,術中に縮瞳してくることが多かった。いかにして術中の散瞳を維持するか,否いかにして縮瞳する前に手術を終えることができるか,というのが手術成功の一つのポイントであった。現在では抗プロスタグランディン薬の点眼,質の良い眼内灌流液,手術機器,術式の改良などにより,術中の縮瞳ということはほとんど問題にならなくなった。しかし,もともと散瞳不良の眼は何らかの方法で機械的に瞳孔を拡張せねばならない。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.