マスターしよう検査技術
無散瞳眼底写真検査
土坂 寿行
1
1東京女子医科大学眼科
pp.437-442
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902022
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
眼底写真は通常,散瞳剤を点眼して瞳孔を最大限に拡大して撮影を行う.しかし,無散瞳眼底検査は自然大の瞳孔を通して検査を行うもので,観察には赤外光を用いる.すなわち,対光反応で縮瞳をしないよう,赤外光で眼底を観察し,ピント,観察位置などの撮影条件を整えたうえで,一瞬のうちにフラッシュ光を用いて撮影を終了するものである.
無散瞳眼底検査は散瞳に要する時間が節約でき,検査後にピントが合わない,まぶしい,といった煩わしい症状がない.また,何よりも散瞳による緑内障発作の危険がないという大きな利点を持つ.一方,眼底周辺部の撮影や蛍光眼底撮影はできないため,その用途は眼底後極部を中心としたカラー撮影に限られる.すなわち,視神経乳頭および黄斑部を中心として,動静脈交差部を含め,乳頭から出る4本の大血管を撮影することになる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.