Siesta
目が動く患者への手術
吉富 文昭
pp.83
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901885
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最近はすべての小切開白内障手術を点眼麻酔のみで行っている。見学に来られた先生方よりしばしば「目が動く患者では手術,特にCCCがやりにくいのでは」との質問を受ける。これは点眼麻酔に限ったことではなく,テノン嚢下麻酔でも効きの悪い球後麻酔でも同じだと思うが,確かにCCCがやりにくいケースは少なからずある。「そんな時はどうするのか」との問いには,「有鈎錫子で眼球を固定するのは決して得策とは言えない。結膜をつかめば患者は痛がるし,強膜をつかんでも力が入ると粘弾性物質が流出しやすい。右利きの術者ならば向かって左側のサイドポートに核分割用のフックを入れて,角膜ドームを持ち上げぎみにすると粘弾性物質も流出しないし,フックとシストトームによって二点固定となるので患者は目を動かせないし,目を術者の好みの位置にもってくることができる」と答えている。これは先日ハワイでPaul Ernest先生(Mid Michigan Eye Care Center)に教えてもらった方法である。
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