今月の主題 高血圧とその周辺
高血圧症のピック・アップ
高血圧患者の血圧はこれだけ動く
平川 千里
1
,
伊藤 裕康
1
1岐阜大第2内科
pp.1386-1387
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204952
- 有料閲覧
- 文献概要
血圧変動の要因
血圧は心拍数・心送血量・大動脈壁の弾性・末梢血流抵抗・血液量その他の循環因子により,かつ多くの全身性条件(体位・寒冷・騒音・呼吸・精神興奮・運動等)の影響下に変動する.とくに精神緊張は血圧を強く上昇せしめ,医師が診察室で測定する値が家庭で(家人により)測定される値より著しく高い事例は珍しくない.ポータブル血圧計で測定したところ診察室内で210/120もあった血圧が,家庭での日常活動時には130/70近くに下がっており,再び病院に戻ると210/120に血圧が上がったという実例も報告されている.
日本人の血圧の変動と測定誤差の分散度は東京の循環器管理研究協議会報告(第1集)中の成績としてすでに報告1)されているが,血圧測定値をばらつかせる要因の1つとして,情緒的なものがかなり入っているらしいとされている1).
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.