特集 白内障手術 Controversy '93
白内障をめぐる22のControversy
切開法/術後乱視コントロールの観点から—ポイントは切開幅
宮田 和典
1
1東京大学医学部附属分院眼科
pp.78-79
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901882
- 有料閲覧
- 文献概要
白内障手術後の医原性角膜乱視の軽減は術者にとって永遠の課題のように見え,これまで多くの議論が行われてきた。しかし最近の手術術式の革新は,この課題にかなり答えている感がある。特に自己閉鎖創に代表される切開創の作成法の工夫とシリコンに代表される小切開用眼内レンズの開発は,これに貢献している。とはいえ,100%の症例が超音波乳化吸引術(PEA)による小切開手術の適応となったわけではなく,依然として白内障嚢外摘出術(ECCE)が基本であることには変わりない。術者は自分の手術のレベルと個々の症例とを検討し,適切な術式を選択すべきである。
本稿では私が現在行っている切開幅の違いによる乱視のコントロールの考え方について述べる。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.