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特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(1) 1992.11.6-8 東京
学術展示
鼻疾患が原因と考えられた眼窩深部痛患者102例のCT像の検討
CT findings in one hundred and two patients with rhigenogenous deep orbital pain
井村 尚樹
1
,
坂口 仁志
2
,
井村 良子
,
加藤 敬徳
Naoki Imura
1
,
Hitoshi Sakaguchi
2
,
Ryoko Imura
,
Takanori Kato
1大阪医科大学眼科学教室
2耳原総合病院眼科
pp.410-412
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901510
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緒言 日常診療で,眼科的には異常がないのに目の奥が痛いとか重いとかいうはっきりしない訴えに遭遇することは多い。ともすれば不定愁訴や神経痛として片付けられやすいが,よく調べてみると治療可能な他科領域疾患の可能性もあるのではないか,という素朴な疑問から研究を始めた。
なお,眼窩深部痛という表現について初めにお断りしておくと,表1のような多彩な訴えを総称しており,仁田のいう眼神経痛1)にあたるが,同じ病名が眼神経(三叉神経第1枝)の神経痛の意味に用いられる場合もあり2),確かに紛らわしい病名なので混乱を避けてここでは眼窩深部痛と称している。内容的には,なんとなく眼がおかしくて受診したが症状を的確に表現できず,こちらで三叉神経第1・第2枝の眼窩縁切痕部を圧迫したら圧痛を訴えたため,鼻疾患を疑った例が過半数である。この三叉神経の圧痛は調査対象者全員に共通した所見であった。それを除けば痛みの程度も期間も表現もまちまちで,まさに不定愁訴の集団のような印象を受ける。
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