連載 眼の組織・病理アトラス・75
トキソプラスマ性網脈絡膜炎
猪俣 孟
1
Narsing A Rao
2
1九州大学
2南カリフォルニア大学
pp.10-11
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901426
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トキソプラスマ性網脈絡膜炎toxoplasmic retinochoroiditisはトキソプラスマ原虫Toxo—plasma gondiiの感染によって起こる網膜の炎症である。脈絡膜には網膜の炎症に対する反応として強い細胞浸潤が起こる。先天感染と後天感染がある。
先天感染のトキソプラスマ性網脈絡膜炎は黄斑部の瘢痕病巣として観察されることが多い。病巣と健常網膜の境界が明瞭で,境界部に著しい色素沈着を伴っているのが特徴である。主病巣から離れた部位に瘢痕化した小さな娘病巣がみられれば,診断の助けになる。
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