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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(6)1991年10月 広島
学術展示
球後視神経炎としてステロイド治療された視神経近傍への転移性腫瘍
Metastatic tumor affecting the optic nerve masquaraded as retrobulbar optic neuritis treated by systemic corticosteroid
矢野 真知子
1
,
茂木 豊
1
,
岡田 進
1
,
山下 孝
2
Machiko Yano
1
,
Yutaka Motegi
1
,
Susumu Okada
1
,
Takashi Yamashita
2
1癌研究会附属病院眼科
2癌研究会附属病院放射線科
pp.1160-1161
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901267
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- Abstract 文献概要
緒言 近年の画像診断の進歩により,球後の病変は以前より正確な診断が可能となったが1),小病巣を初期に発見することは時に困難である。急激な視力低下があり画像診断で異常がない場合,原因不明の球後視神経炎としてステロイド治療が行われることが多い2)。今回最初の画像診断では異常が見いだされず,ステロイド治療がなされたが,後に再度の画像診断で視神経近傍に腫瘍を見いだした2症例を経験した。ともに乳癌の既往があるため転移性腫瘍と推定し,放射線治療を行った結果,症状改善がみられたので報告する。
症例 【症例1】 46歳,女性。1988年4月右乳癌の手術(T2N1M0)をうけ,1990年6月より骨転移がある。10月6日より両眼の視力低下を自覚し11日某大学病院受診。視力,右(0.3)左手動弁で,CT, MRIにて腫瘍は造影されないため,球後視神経炎としてステロイドを投与された。視力低下が急激なため15日当院紹介された。初診時視力右手動弁,左0。対光反応は右眼は正常,左眼は減弱,遅延がみられた。前眼部,眼底に異常はみられなかった。CT検査で右眼窩後壁から海綿静脈洞にかけて骨破壊を伴う病巣があり(図1a),MRIで頭蓋底の右前頭蓋窩から視交叉前方にGd—DTPAでよく強調される腫瘍陰影が見いだされた(図1b)。転移性腫瘍と推定し,放射線照射30Gyを行った。照射終了後自覚的に視力改善し,近医へ転医したが,全身状態悪化のため3週問後死亡した。
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