特集 眼科基本診療—私はこうしている
治療に必要な基本技術
春季カタル治療のコツ
田川 義継
1
1北海道大学医学部眼科
pp.122-123
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900898
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春季カタルは,眼科領域の代表的なアレルギー性疾患で,IgE mediatedの即時型アレルギー反応が主な病態形成に関与している。花粉症に代表されるアレルギー性結膜炎とは異なり,上眼瞼結膜や輪部結膜に巨大乳頭形成や隆起性病変を示すことでわかるように結膜組織の増殖性病変を伴うのが特徴である.充血,掻痒感,異物感などのアレルギー性結膜炎に伴う症状と共に巨大乳頭などの増殖性病変が問題となり,眼瞼腫脹や巨大乳頭による角膜潰瘍が合併症として出現することがあり,本症の経過観察および治療を行ううえで注意が必要である。臨床的には,眼瞼型と輪部型(眼球型)にわけられるが,両者の混合型も多い。
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