特集 小児眼科診療マニュアル—私はこうしている
眼科検診の実際とフォローアップ
小児眼科遺伝相談—私はこうしている
上原 文行
1
1鹿児島大学医学部眼科学教室
pp.1713-1715
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900420
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遺伝相談とは
遺伝相談の定義は簡単なようで容易とはいえない。おおまかにいえば,“遺伝的に考慮すべき問題をもつ当事者に,その時点で得られている医学的事実にもとついて問題の本質を十分に説明し,結婚や子供をもうける場合の遺伝情報を提供する(カウンセリング)。そして最終的な結論は当事者(クライアント)の判断にまかせる”ことである。遺伝相談は,いわゆる優性相談とは根本的に異なることに注意する必要がある。また,遺伝現象は確率事象であるから,遺伝病の危険があるかないかを断定するのではなく,経験的な確率を推定することにとどめる。
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