特集 小児眼科診療マニュアル—私はこうしている
全身異常を伴う場合のCureとCare
心身障害児
唐木 剛
1
1名古屋大学医学部付属病院分院眼科
pp.1657-1660
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900403
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診察室での注意点
心身障害児の診察といえども,基本的には通常の診療をおこなう点に変わりはないのであるが,相手の協力が得にくくかつ診療サイドに戸惑いがあることが,診療行為をむずかしくして相互に敬遠し合う原因となっている。また人見知りのつよい乳幼児や対人関係の未熟な幼児にも共通する難しさでもあるので,心身障害児だけと特定しないで参考にしていただきたい。さて診療サイドにとって苦手な代表は,白衣をみるなり泣き出すか診察室に入る前から泣いているグループA・泣いてはいないが少しもじっと座って診察を受けないグループB (自閉症で視線をあわせない者も含む)・知的水準が低くて視力検査ができないグループC・知的には水準以上であるのに脳性麻癖が強いかことばが遅れているため視力が測れないグループD・複反応のとぼしいグループEが挙げられよう。診察の流れは図1と2にフローチャートで示した。
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