特集 小児眼科診療マニュアル—私はこうしている
診療の実際—ポイントとコツ
角膜疾患
金子 行子
1
1至誠会第二病院眼科
pp.1599-1601
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900387
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小児の角膜疾患は,結膜炎や屈折異常に比べると決して多い疾患とはいえない。昨年の外来をふりかえってみると,12歳以下の小児において角膜疾患が占める割合は20.6%であった。しかし,その大半の67%は睫毛内反症が原因の角膜びらんであり,いわゆる角膜炎というのは全体の3.47%と少ない(図1)。まして角膜変性のような疾患は数例と稀である。なお,治療に苦慮した角膜炎も病変部の所見から以前上皮性病巣が認められたであろうと推定されるものが多い。したがって,小児の角膜疾患では,日常の診療でいかに角膜上皮性病変を見逃さないようにするかがポイントになると考えられる。本稿では日常稀な疾患は成書に譲り,遭遇する確率の高い病変の順にグループ分けをして述べてみたい。
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