今月の表紙
多焦点眼内レンズの前房内亜脱臼
赤岩 沙織
1
,
髙橋 次郎
1
,
堀 裕一
2
1獨協医科大学埼玉医療センター
2東邦大学
pp.883
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214431
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- 文献概要
症例は48歳,男性。9年前に他院で両眼LASIK(laser in situ keratomileusis)施行の既往があった。その3年後に,前医で左眼白内障に対し,多焦点眼内レンズ(IOL)挿入を含む水晶体再建術が施行された。白内障手術から5年後にIOLの亜脱臼が生じたため,当院へ紹介され受診となった。初診時,視力は右0.8(1.2×−1.0D),左0.07×IOL(1.2×−3.5D()cyl−0.5D 70°),眼圧は右15mmHg,左23mmHgであった。細隙灯顕微鏡で左眼のIOLのハプティクスが前房内へ脱出した所見がみられた。このため,IOL摘出の後に硝子体切除術とIOL強膜内固定術を施行した。術直後に前房出血を認めたが,術後経過は良好であった。
本撮影には,TOPCON社製スリットランプSL-D7にNikon社製デジタル一眼レフカメラD300を取り付けた装置を使用した。撮影中に被検者の視線の動きによりIOLからの虹色の反射が異なって観察されたため,スリットの光量と角度を調節しながら撮影を行った。IOL周囲の様子が把握できるようにスリット幅15mm,倍率10倍,マニュアルモードに設定し,多焦点IOLの回折格子にピントが合うよう撮影を行った。
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