特集 新しい時代の白内障手術
Ⅲ.高機能眼内レンズ
多焦点眼内レンズ―1)回折型
大木 孝太郎
1
1創樹会大木眼科
pp.166-169
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103419
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レンズ構造の特徴
回折型多焦点眼内レンズ(以下,回折型)の構造上の特徴は,図1に示すようにレンズ表面に階段状の回折構造と呼ばれる特殊な形状を持つことである。挿入後も外来診察でこの表面構造を観察できる(図2)。この特殊な表面構造が入射光を遠近2つの焦点に振り分けることによって多焦点機能を発揮するレンズである。すなわち多焦点というよりは2焦点と呼ぶほうが理解しやすい。
このことは患者へのインフォームド・コンセントにおいても大変重要である。一般的には「多焦点」という言葉からは「どこでも見える」という印象を持ちやすいため,患者が過度の期待を抱きやすい。したがって「2焦点」もしくは「遠近両用」という言葉を使って説明することが適切である1)。
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