今月の表紙
水晶体前房内脱臼
山口 純
1
,
堀 裕一
2
1北里大学病院
2東邦大学
pp.302
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214731
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- 文献概要
症例は63歳,女性。2日前からの左眼の充血と眼瞼腫脹,前日の眼痛,頭痛,嘔気を主訴に前医を受診し,同日,当院を紹介され受診となった。初診時の視力は右0.8(矯正不能),左0.01(矯正不能),眼圧は右12mmHg,左8mmHg。前眼部所見として,右眼の水晶体亜脱臼と左眼の水晶体前房内脱臼がみられた。写真は,初診時の左眼である。左眼の眼底は透見不良,Bモード上では網膜剝離は認められなかった。同日,緊急手術にて超音波水晶体乳化吸引術+経毛様体扁平部硝子体手術(PEA+PPV)を行い,無水晶体眼で終了した。初診時より3か月後,IOL強膜内固定術を施行し,視力は左(0.8×cyl−3.00D 50°)となった。
右眼についても経過観察しながら手術を検討していたところ,転倒外傷により水晶体脱臼を起こし,PEA+PPV+IOL強膜内固定術を施行した。
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