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あとがき
鈴木 康之
pp.256
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103093
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OCT(光干渉断層計)の登場によって生体眼の網膜微細構造が描出可能になったことは,網膜特に黄斑疾患の診療にきわめて大きいインパクトを与えたのはご存じのとおりです。近年,非常に高速かつ高解像度のフーリエドメインOCTが発売されたことによって,少なくとも黄斑部の画像診断機器としては,ほとんど完成された域に達しました。現在,各社から市販されている後眼部OCTは,いずれも網膜疾患の診療には十二分な機能を有しており,細かい使い勝手や値段などが異なるのみといっても構わないぐらいの状況です。一方,OCTのもう1つの大きな用途である緑内障診療への応用という面から見ると,いずれの機器も,まだまだ不十分な部分があるとともに,これからが期待される要素もそれぞれ持っていて,今後大きな発展が期待される分野であることがわかります。
本号の特集では「OCTによって緑内障診療の何が変わるか」と題して,5種類の後眼部フーリエドメイン方式OCTと2種類の前眼部OCTの緑内障診療への応用について詳述していただきました。この分野は現在,急激に進歩しており,この特集の原稿を各執筆者にご依頼した後も各社から次々と新しい機能がアナウンスされ,各先生方も大変苦労されたことと思いますが,最新の状況を含めてご解説いただきました。今号の特集は,緑内障の画像診断を研究している諸先生方ならびにOCTの新規購入を検討している先生方にもきわめて役に立つものであると思っています。是非,ご精読ください。もちろん,特集以外にも各連載や臨床報告など非常に読みでのあるものになっていると思いますので,そちらも忘れずにチェックしていただければ幸いです。
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