Book Review
蛍光眼底造影ケーススタディ—エキスパートはFA・IA・OCTAをこう読み解く
五味 文
1
1兵庫医大・眼科学
pp.692
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213582
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昨今の眼底画像診断の主流といえば,非侵襲的かつ短時間で行うことのできるOCTもしくはOCTアンギオグラフィであろう。その分臨床の場で,蛍光眼底造影検査が行われる頻度が減ってきているのは間違いない。しかしながら,たとえ短所があろうとも,蛍光眼底造影検査で得られる情報量は多く,動的な血液循環や血液網膜関門の破綻の有無などは,造影剤を用いないと把握できない。すなわち蛍光眼底造影は,少なくとも今の時点ではまだ,他で補完することのできない必須の眼科検査なのである。
本書を読むと,そのような蛍光眼底造影検査の意義がありありと伝わってくる。本書は,『臨床眼科』誌で2016年から約2年間にわたって連載されていた「蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス」を土台に,OCTアンギオグラフィなどの最新の情報を加えて出版されたもので,総論と25の眼底疾患を詳述した各論から成っている。
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