増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
6.神経・外眼部・腫瘍などの疾患
1)神経
視神経炎における抗MOG抗体の取り扱い
毛塚 剛司
1,2
1毛塚眼科医院
2東京医科大学臨床医学系眼科学分野
pp.328-331
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212934
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ここが変わった!
以前の常識
●視神経炎には,視神経脊髄型多発性硬化症を伴うタイプのほかに,抗AQP 4抗体陽性の視神経炎があり,脊髄炎を伴うことが多い。
●抗AQP 4抗体陽性の視神経炎は,多くのケースにおいて副腎皮質ステロイドの投与に加えて,血漿交換療法が有効である。
現在の常識
●特異抗体陽性視神経炎には,抗AQP 4抗体陽性視神経炎のほかに,抗MOG抗体陽性視神経炎が存在する。
●抗AQP 4抗体陽性視神経炎は,視神経炎の10%前後であり,女性に多く,ステロイドに対して抵抗性である。一方,抗MOG抗体陽性視神経炎は,視神経炎の10%前後であり,性差はないか男性にやや多く,視神経乳頭腫脹が強く,眼痛も強い。また,ステロイドによく反応するが,再発しやすい傾向にある。
●特異抗体陽性視神経炎において,ステロイドパルス療法が無効の場合は血漿交換療法を行うほかに,IVIg大量療法も有効である。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.