増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
3.緑内障
2)診断
眼圧の動態
坂田 礼
1
1東京大学医学部眼科学教室
pp.153-157
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212896
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ここが変わった!
以前の常識
●生活習慣に基づいた眼圧測定(日中は座位,夜間は仰臥位)で,眼圧日内変動パターンを把握することが主流であった。
●仰臥位でも眼圧を測定できる代表的な機器としては,トノペン,パーキンス,PTGであり,使用経験が浅いと測定誤差が大きく出た。また,それぞれ点眼麻酔が必要であった。
●緑内障点眼薬のなかで,主経路に作用する薬剤はピロカルピン塩酸塩のみであった。
●毛様体光凝固術は,眼球癆になるリスクがあった。
現在の常識
●2012年頃からコンタクトレンズセンサーに関する論文が出始め,眼圧日内変動パターンを連続的に把握できるようになってきている。ただし,わが国では未承認であり,従来方式の眼圧日内変動検査は行われている。
●2012年に点眼麻酔が不要のアイケアPRO手持眼圧計(TA03,ICARE FINLAND社)が登場したことで,仰臥位でも簡便に眼圧測定を行うことができるようになった。
●2011年以降で新規に販売された緑内障点眼薬(配合剤は除く)としては,α2刺激薬,ROCK阻害薬があり,特に後者は主経路からの房水排出にかかわる薬剤として注目を集めている。
●2017年からマイクロパルスレーザー(Cyclo G6)を用いる毛様体光凝固術が可能となり,これは眼球癆にならないと考えられている。
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