今月の表紙
視細胞内節のエリプソイド
杉田 新
1
,
稲谷 大
2
1おおつか杉田眼科
2福井大学
pp.1480
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212421
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視細胞内節のエリプソイドにはミトコンドリアが密集しており,エネルギー源として視細胞外節の機能維持に重要な役割を果たしている。本図は家兎の視細胞内節を割断して走査電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)でみたもので,エリプソイドに杆状形態のミトコンドリアの断面と一部,外表面が観察される。エリプソイドにみられるミトコンドリアは内節の長軸に平行に配列しており,内部にはよく発達した管状,板状のクリスタが認められる〔なお,本稿の写真は,「眼の神秘 SEMアトラス」(筆者の自費出版)からの転載である〕。
SEMは組織の自由表面だけでなく,試料作製を工夫することにより,内部構造,基底面まで微細構造レベルで3次元的に観察することができる。本図は樹脂冷凍割断法を改良したオスミウム-DMSO-オスミウム法を応用して視細胞内節の断面をSEMでみたもので,ミトコンドリアの内部に見られるクリスタまで明瞭に観察することができた。今回の写真撮影に使用した検査機器はフィールドエミッションSEM,HFS-2(分解能は3nm)で,写真倍率は3万倍である。
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