Book Review
《眼科臨床エキスパート》眼形成手術—眼瞼から涙器まで
平野 耕治
1
1藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・眼科
pp.1098
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212343
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眼形成手術と言えば,特殊な手術機器や手技を要し,手術の結果に美容的な要素が絡んでくることもあって,私たち一般の眼科医にとっては敷居を感じさせる分野である。しかし,本書で採り上げられている「眼瞼」「眼窩」「涙道」は,整容の目的だけでなく視機能の改善と維持に密接に関わってくる部位である。本書では眼瞼下垂,眼瞼内反症,眼窩壁骨折,甲状腺眼症,鼻涙管閉塞など,眼科での外科的治療が期待される疾患について,わが国の第一人者の先生方が解説されている。
本書は「総説」「総論」「各論」の3章で構成されており,第1章の総説では,編集者の一人である高比良先生が,眼形成手術の目標,眼瞼・眼窩・涙道の解剖と病態,検査法と手術適応,麻酔・手術器具・基本手技,そして代表的な疾患の治療について,18ページの短いスペースにまとめておられる。ここで概念をつかんだ後,第2章の総論では,眼瞼・眼窩・涙道の解剖・生理,診断と治療について,さらに詳細に学び,第3章の各論に入っていく。特に基本的な検査についてはこの第2章にまとめて記載されているが,眼瞼下垂の検査など,特別な機器を用いることもなく簡便な方法で有用な情報が得られるのを知れば何だか得をした気分になる。
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