今月の表紙
水晶体前方脱臼
山口 純
1
,
寺崎 浩子
2
1北里大学病院
2名古屋大学
pp.1582
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211612
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症例は30歳,女性。サルコイドーシスのため当院内科を受診していたが,右眼の霧視や複視を訴えたため眼科を受診された。初診時の視力は右0.02(0.8×+12.00D),左0.01(0.7×+12.00D),眼圧は両眼ともに13mmHg。前眼部所見として,前房内cell(+),水晶体の下鼻側への偏位と膨化が両眼にみられた。眼底所見は,網膜血管の強い蛇行を認めるものの炎症はみられなかった。手の指が細長く,以前より水晶体偏位を指摘されているため,Marfan症候群が疑われ,後に確定診断された。
3か月後の診察にて,右眼の水晶体が前方へ偏位し角膜後面へ接する状態になったため,手術適応となった。写真はこの時に撮影したものである。手術はIOL縫着術を行い,視力は右(1.0×−0.75D()cyl−1.00D 120°)となった。
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