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白内障手術創における新生血管見逃されがちな硝子体出血の原因として
桂 弘
1,2
1慶大眼科
2オークランド大学
pp.623
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210747
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白内障手術創における新生血管が原因と思われる再発性の硝子体出血8例について検討した。全例,水晶体嚢内摘出術後で,うち2例は前房レンズが移植されていた。年齢は34歳から79歳,手術後の期間は,10ヵ月の1例を除いて,7年から17年と長期間経過した症例であった。診断は,上方隅角部の新生血管の確認と隅角鏡の振動によって出血が誘発されれば確実であるが,時には隅角の螢光血管撮影も有用である。無水晶体眼の再発性の硝子体出血の症例で,硝子体牽引,網膜裂孔,網膜新生血管,虹彩ルベオーシスなどの原因となる所見が認められない場合には,原因の一つとして考慮されるべきである。治療はアルゴンレーザーによる新生血管の直接凝固が有効であり,8例全例で出血の再発は認められていない。
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