海外文献情報
新しい炭酸脱水酵素阻害剤の耐用性/Birdshot chorioretinopathyの臨床上の特徴と経過
難波 克彦
1
1新潟大
pp.574
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210725
- 有料閲覧
- 文献概要
新しい炭酸脱水酵素阻害剤である5,6-dihydro-4-(2-methylpropyl)amino-4H-thieno〔2,3-b〕thiopyran-2-sulfonamide 7,7-dioxide hydroch-loride(MK−927)の0.5,1.0,2.0%点眼薬の耐用性をみる目的で12例の健康人にまず2%点眼薬を点眼し(うち2例はプラセボー)(初回,60分,70分後の計3回点眼)刺激症状の有無をチェックし,4時間後に眼圧を測定し,点眼20時間前のものと比較した。すべての症例で一過性の刺激症状がみられたが,2%点眼薬は使用に十分耐えられるものであった。眼圧は平均4.6mmHg,29.7%下降がみられ,これは全身投与量の1%以下で同等の眼圧下降作用が得られることになり,炭酸脱水酵素阻害剤の全身性副作用の軽減が期待される。本剤は水溶性で,眼内移行にすぐれ,β-ブロッカー剤などの併用効果も期待される.角膜への影響は全くみとめられなかった。
一回点眼による眼圧下降効果,作用持続時間などの検討が待たれる。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.