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1986年7月から1987年8月までの間に,計画的水晶体嚢外摘出術後,ポリメチルメタクリレート(以下PMMA)後房レンズ移植を行った症例のうち,術後眼内レンズ前面に膜様物質を認めた14眼について,眼内レンズ表面の細胞反応を検討した.スペキュラマイクロスコープによる生体観察の結果,14眼の共通した所見として,眼内レンズ前面に多数の線維芽細胞様細胞,あるいは組織球と考えられる細胞が認められた.これらの細胞の間に,虹色の反射,または干渉縞として無構造な膜様物質が観察されたが,一部の症例では,膜様物質は干渉縞の観察されない部位にも認められた.使用された後房レンズが5社4種類の異なった製法によるものであったことから,膜様物質を認めた所見には,眼内レンズの製法によらないと考えられた.今回報告した所見は,眼内レンズが膜様構造に覆われ,非異物化する過程の一段階で,膜様構造形成の過程を知る重要な手がかりになると考えられた.
We studied the cellular reaction on the anterior surface of implanted intraocular lenses by specular microscopy. Most of the cells observed on the sur-face of the implants were fibroblast-like cells andhistiocytes. In 14 eyes the amorphous membrane, which was observed as interference fringes, filled the spaces between the cells. This finding suggests a phase of intraocular lens being tolerated in the inner eye.
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