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緑内障,他
難波 克彦
1
1新潟大
pp.966-967
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210143
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Caprioli J et al : Patterns of early visual field loss in glaucoma. Am J Ophthalmol 103 : 512-517, 1987
初期緑内障性視野欠損をオクトパス30-2により,mean defect (MD)とloss variance (LV)を指標としてdiffuse depression (MD>3.0 dB,LV<10.0 dB2)とlocalized scotoma (MD≦3.0dB, LV≧20.0 dB2)に分類し,眼圧,Rim面積との関係についてみた.眼圧はdiffuse depression群の方がlocalized scotoma群に比して有意に高く,Rim面積もdiffuse depression群に有意に大きく,これは主として耳側Rim面積がlocalizedscotoma群で狭いためであった.視野感度のdif-fuse depressionは眼圧依存性で,主としてびまん性神経節細胞の機能不全により,陥凹はわずかに同心円状に拡大する.localized scotomaは眼圧に関係なく,局所の神経節細胞の死滅によるもので,耳側Rimの消耗を伴う.緑内障患者には,この二つのタイプの視野異常が同時にみられることが多いが,diffuse depressionが先行するものが多く,このことから緑内障で器質的変化がみられる以前に,心理物理的検査で異常がみられる現象が説明できる.
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