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特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (4)
学術展示
油症患者の瞼板腺嚢胞内容物中のPCBの検出
Polychlorinated biphenyls level in tarsal gland cyst in chronic intoxicated patients
向野 利彦
1
,
大西 克尚
1
,
廣中 博見
2
Toshihiko Kohno
1
,
Yoshitaka Ohnishi
1
,
Hiromi Hironaka
2
1九州大学医学部眼科学教室
2福岡市衛生試験所
pp.826-827
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210110
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緒言 1968年6月以来,西日本一帯でPCB (poly-chlorinated biphenyls)が混入した米ぬか油を摂食して発生した"油症"は,現在までに1,800名余の患者が確認された.発生当初,眼脂増加・眼瞼腫脹・視力減弱・眼痛などの眼に関する訴えを初発症状とした患者が数多く見られ,主な眼所見は瞼板腺分泌亢進,結膜の異常色素沈着と記載された.その後油症患者剖検例の眼瞼の組織学的検索から,瞼板腺分泌亢進とされた臨床所見は瞼板腺角化嚢胞の形成とその内容物の排出であることが明らかになった.
発症から18年を経過し眼症状は軽減しているが,一部の患者では依然瞼板腺嚢胞の形成を繰り返している.今回,PCBと瞼板腺角化嚢胞の形成との関連を明らかにするため,油症患者の嚢胞内容物中PCBの検出を試みた.
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