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特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (3)
学術展示
出血性黄斑症を伴ったVogt-Koyanagi-Harada症候群の1例
Hemorrhagic maculopathy in a case of Vogt-Koyanagi-Harada syndrome
原 彰
1
,
三浦 雅博
1
,
清水 由規
1
Akira Hara
1
,
Masahiro Miura
1
,
Yoshinori Shimizu
1
1曰本医科大学眼科
pp.656-657
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210066
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- Abstract 文献概要
Vogt-Koyanagi-Harada症候群は,前部ぶどう膜炎,毛髪白変,脱毛,白斑,聴覚異常を主徴としたVogt-Koyanagi症候群と,急性び漫性脈絡膜炎,髄液細胞増多を主徴とする原田病とが一つの疾患としてまとめられたものであり,日本人に比較的多く発症するとされている.主病巣はぶどう膜にあり,脈絡膜メラノサイトの崩壊を起こすため,夕焼様眼底を呈するのが特徴である.ステロイド剤の全身投与に反応すれば視力予後は良好であるが,ぶどう膜炎が再発し遷延する場合は緑内障,白内障,眼球癆を合併し視力予後が悪い1).今回我々は軽症Vogt-Koyanagi-Harada症候群の経過を観察中,初診から6年目に黄斑部からの血管新生により黄斑出血を起こした症例に遭遇した.Vogt-Koyanagi-Harada症候群に黄斑出血を起こすことは稀である上,本症の様に黄斑出血の初期に螢光造影検査を行い,脈絡膜血管新生の存在を確認できた症例は皆無に近いと思われるので報告する.
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