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Vogt-Koyanagi症候群に於ける皮膚症状
西田 光一
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1東京大學醫學部附屬醫院分院皮膚科
pp.453-455
発行日 1949年11月1日
Published Date 1949/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200264
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交感性眼炎,特發性葡萄膜炎及び急性瀰蔓性脉絡膜炎(原田氏病)の3者は,その臨床的所見が酷似し,共にその經過中に,聽器,皮膚,毛髪及び腦膜に合併症を起すことがある.
1906年にVogtは頭髪の稀疎,部分的の禿髪,睫毛の白變等の合併症を有する葡萄膜炎の1例を報告した.1929年に至り小柳は難聽,禿髪及び白髪を伴う重篤な非外傷性葡萄膜炎の6例を記載し,既に報告された10例と共にこれ等は獨自の1症候群をなすことを明かにした.こゝに於て難聽,禿髪,白髪及び白斑の諸症状の全部あるいは一部を伴う非化膿性瀰蔓性脉絡膜炎のうちで,特に前眼部に存する紅彩,毛樣體等が強く侵されるものをVogt-Koyanagi症候群と謂い,その眼症状の豫後は不良とされている.從つて本症候群は主として眼科領域に於て取扱われ,皮膚科領域に於ける報告は2,3の簡單な學會抄録に過ぎない.たまたま著者はこの症候群の1例を經驗したので,こゝに主としてその皮膚症状について報告する.
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