Japanese
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連載 眼科図譜・342
定型的な家族性滲出性硝子体網膜症の1例
A typical case of familial exudative vitreoretinopathy
原 彰
1
,
冨川 節子
1
,
清水 由規
1
Akira Hara
1
,
Setsuko Tomikawa
1
,
Yoshinori Shimizu
1
1日本医科大学眼科
pp.434-435
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209699
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- Abstract 文献概要
家族性滲出性硝子体網膜症(familialexudative vitreoretinopathy,以下FEVR)は1969年CriswickとSchepensにより報告された疾患であり,成熟出産で酸素使用の既往が無にもかかわらず,未熟児網膜症類似の眼底所見を呈する事を特徴とし,未熟児網膜症,コーツ病,周辺性ぶどう膜炎とは類似するが独立した疾患であるとした1).その後新たな報告と,またVan Nou-huysやMiyakuboらの多数症例での集約的な検討により,現在では硝子体の病変は2次的な変化であり,本症の病変は網膜血管の発育不全が基調となって起こるものであるとする考え方で本症の病態は統一されつつある2).しかし遺伝関係については従来本症の診断根拠とされていた常染色体性優性遺伝のみで本症が発現するのでは無く,散発性の発現のしかたがある事が知られるようになり3),FEVRについては未だ未解決の部分がまだまだありそうである.今回我々は定型的なFEVRの症例に遭遇したので供覧する.
症例 (㋕3999)は20歳の男子である.1982年8月に軟式ボールが右眼に当たり,1カ月後から視力が低下したというので近医を受診した.当時の眼底検査で右眼底周辺部に血管瘤が認められ,光凝固の治療を受けた.
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