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特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その6)
学術展示
青色光により色覚障害を生じた1例
A case of blue-yellow defect induced by exposure to intense blue illumination
北原 健二
1
,
環 龍太郎
1
,
野地 潤
1
Kenji Kitahara
1
,
Ryutaro Tamaki
1
,
Jun Noji
1
1東京慈恵会医科大学眼科
pp.908-909
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209497
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緒言 今回,われわれは高輝度の青色光を反復して注視する心理物理学的実験により,比較中心暗点および色覚障害を惹起し,とくに青錐体系の反応の障害が長期にわたって残存した1例を経験したので報告する.
症例 26歳の男性で,心理学専攻の大学院生である.1983年7月,500wattのxenon arc lampを光源とするMaxwell視光学系を使用し実験を開始した.実験は右眼で行い,106,5photopic trolandsの白色光路に東芝色ガラスフィルターのV-44を挿入し,視角9.6°の青色円形指標を順応刺激として使用した.この順応刺激を5〜10分の間隔で,30秒間注視する実験が1日に10〜20回繰り返された.実験開始後2〜3日までは,実験終了後2〜3時間で順応光による残像は消失した.しかし,4〜5日目以降は実験終了後5〜6時間にわたり残像が存続し,実験開始後1週間では翌日の実験開始時においても残像を自覚するに至った。このため実験開始後10日で実験を中止している.しかしながら,約1カ月後に至っても残像が消失せず,色覚障害を自覚し,1984年8月29日当科を受診した.
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