文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(39)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.386-387
発行日 1985年3月15日
Published Date 1985/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209383
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48.眼目秘伝書
古写本の眼科秘伝書には書名がない場合が多く,記述の内容も眼目論(病論),薬性論,眼目見様之次第,能毒,禁忌,好物および薬物処方等を挙げているのが通例であるが,すべてこのパターンというわけではない.こうしたところが古写本眼科秘伝書の特徴の一つであろうか,序論,本論,各論といった順序で記述されている成書と異なっている.つまり秘伝書は理論より実地を重視して述べられているものが多く,掲出の秘伝書もそうした類のものである.
本書はその末尾に"寛文八年申暦二月廿一日,観弘書之"と識されているのみで,何れの流派の眼科を伝えたものか明らかでないが,この頃の眼科を伝えたものと思われる.
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