文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(7)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.652-653
発行日 1982年6月15日
Published Date 1982/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208624
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13.眼書一流之秘伝
古写本に記された年代には秘伝などの授受によって書き込まれるものと,その書きとめられたものが後世において書写相伝された時に記される書写年代とがある。眼科諸流派の秘伝書においてもこの原本成立年代と書写相伝年代の異なるものがままある。「眼書一流之秘伝」はそうした類に入る古写本である。
「眼書一流之秘伝」は36葉全1冊,横長本で,淡青色手漉和紙に達筆な平仮名にて丹念に記述された古写本である。各見出しの文末識語年代には天正5年,文禄元年,慶長9年および元和3年等の年号が記されているが,この写本が実際に書かれた年代は筆跡,朱墨の濃淡等の具合から元和3年以降の書写と思われる。
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