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名市大未熟児病棟で管理された生下時体重2,500g以下の低出生体重児のうち,すでに報告した1970年1月から1975年6月までの470例(A群)と,1977年1月から1979年12月までの195例(B群)を対象として,未熟児網膜症の発生,進行について比較した。さらに,B群における1,250g以下の極小未熟児について,網膜症と全身的諸因子との関連性を検討し,以下の結果を得た。
(1)名市大では極小未熟児が増加しており,特に1,250g以下が著明である(p<0.001)。
(2)それに伴って重症網膜症も増加している。
(3)Ⅱ型網膜症は約5倍に増えたが,統計学的には有意な増加とはいえない。
(4)全身管理法は,名市大においてはA群の時期にすでに現在の水準まで達していたと考えられ,発生率と重症例の増加は,極小未熟児の増加によるために他ならない。
(5)生下時体重1,250g以下において,(a)Ⅰ型網膜症は全身的諸因子に関係なく発生,進行している。(b)Ⅱ型および混合型は,全身的諸因子に強い関連性があり,ほとんど全ての条件が悪い症例に発生している。
(6)網膜の未熟性こそ本症の重要な発生因子であることを再確認した。
(7)本症による失明予防には,極小未熟児の出生防止が急務である。
Two groups of low birthweight infants were evaluated as to retinopathy of prematurity based on records of our NICU. Group A consisted of 470 infants admitted during the 5 years 6 months ending June 1975 and Group B of 195 infants during the 3 years 1977-79. There was a significant increase in the incidence of very low birthweight infants in Group B. The increase was particularly pronounced in the incidence of those with birth-weigt of 1,250g or less (p<0.001) and those with the gestational period of 30 weeks or less (p< 0.001).
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