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緒 言
原発性開放隅角緑内障はきわめて長期にわたり管理され,また適切な治療を受けるべき疾患である。この管理にあたり,もつとも重要な点は,視機能の保存であるが,それには,視野をチェックして,その悪化を予防する必要がある。一方,緑内障における視野障害の進行は,眼圧の上昇と密接な関連をもつと一般に信じられている。しかしながら,われわれが,40歳以上の男子3,639名を対象として行つた緑内障集団検診1)では20mmHg以上の高眼圧を示した者が,5.63%あつたのに対し,視野障害のあつた者は0.86%であり,両者の間に大きなへだたりがあつた。また眼圧レベルそのものよりも,眼圧の変動幅が視野障害進行にもつとも影響するとする考え方もある2)。この様に,眼圧の上昇と視野障害の進行との相関については,なお不明な点がある。今回,われわれは本院緑内障外来において,薬物治療のみで10年以上にわたり経過観察できた原発性開放隅緑内障群について,それらの視野経過と眼圧との相関について検討を行つたので報告する。
We followed up 22 eyes (12 cases) with open-angle glucoma for over 10 years (average : 12 years). Particular attention was paid to evaluatethe correlation between the intraoculor pressure level and the outcome of the visual field.
In order to prevent the progression of visual field damage during the period of 10 years and over, sustained regulation of the intraocular pressure level at less than 20 mmHg was necessary. The development of visual field changes in a given eye was dependent not only on the intraocular pressure level but also on the magnitude of fluctuation in pressure.
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