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緒 言
無水晶体眼の緑内障で眼圧が薬物療法によりコントロールできなくなつたときには,毛様体解離術が最もよい手術適応であるとされ,これまで広く行われて来た。しかし毛様体解離術についてはその効果が不安定なこと,および有効期間が短いことが問題点として指摘されている。特に手術部位として好適な眼球上半部が水晶体手術の際の合併症,すなわち硝子体脱出やハンモック瞳孔などで使えず,下半部に手術を行わざをえない場合は,更に有効期問が短いのが普通である。これは術後の出血や炎症でいつたん解離した強膜・ブドウ膜間隙が再び閉じてしまうためだと一般に考えられている。強膜・ブドウ膜間隙の再閉鎖を防止する目的でKrasnovの手術1)やSachsenwegerの手術2)等が老案されているが,手術材料等に問題点があつて末だ広く行われるに至つていない。われわれはこの解離間隙の再癒着防止のために,手術時,強膜・ブドウ膜間隙にシリコンロッド小片をはさみ込む「シリコンロッド挿入毛様体解離術」を考案し,薬物で眼圧コントロール不能の無水晶体眼緑内障8例8眼にこれを行つた。その結果,良好な成績を収めたのでここに報告する。
To make sure and durable the effect of cyclo-dialysis, the authors devised a new method of operation called "cyclodialysis with silicone im-plant".
The method consists of usual cyclodialysis and of implantation of a piece of silicone into the cleft between sclera and uvea. This implantation material is a silicone rod, 1mm in diameter and 7mm in length with a 10-0 nylon suture tied at the tail of the rod.
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