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緒 言
螢光眼底撮影法が開発されて以来,本法はほとんどの眼底疾患において必要な検査法であり,病変の程度判定や治療法決定のうえでも重要な意義を持つ。ブドウ膜炎においても,わが国では二大疾患であるBehçet病と原田症候群との鑑別1,2)をはじめ種々の領城で応用されている。先に著者らは原田症候群102例について検討し,予後を左右する要因の第1としてブドウ膜炎の軽重度をあげたが5),螢光造影所見はそれを間接的に証明するものと思われる。またステロイド内服療法に際して,減量の目安や離脱時期決定などへの利用価値も大である。今回は螢光造影所見と視力の予後との関係について検討した。
原田症候群の螢光造影所見3,4)は,Bruch膜および網膜色素上皮の螢光色素に対する透過性が亢進し,脈絡膜側から網膜下への多数の拡大する螢光漏出点が存在することが特徴であり,網膜血管系の透過性九進は欠如していることはよく知られている。今回検査を行なつた症例においても,2例をのぞいた6)全例に典型的な本症の螢光所見が認められた。本症候群は網膜血管系には異常をきたさないのが原則であるが,著者らは経過中明らかに網膜血管に変化を生じた3例,および後極部に黒色腫様の色素斑を生じた1例を経験し,これら4症例の螢光像で特に興味ある所見を得たのであわせて報告する。
Clinical features of Vogt-Koyanagi-Harada syn-drome were studied reviewing 117 cases during the last 16 years. Fluorescein angiography was done in 58 cases. Based upon patterns of the fluorescence extravasation, we classified these ca-ses into 3 groups. The first group was a choroi-ditis type in which the dye leaked from the cho-roid to the subretinal space. The second was a papillitis type in which the dye leaked chiefly from the optic nerve head. The third group was a mixed, choroiditis and papillitis, type in which the dye leaked both from the choroid and optic nerve head.
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