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特集 今さら聞けない自己免疫疾患の基礎知識
Vogt-小柳-原田病
Vogt-Koyanagi-Harada disease
柿木 章伸
1
Akinobu Kakigi
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野
キーワード:
Vogt-小柳-原田病
,
メラノサイト
,
自己免疫疾患
Keyword:
Vogt-小柳-原田病
,
メラノサイト
,
自己免疫疾患
pp.788-793
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202499
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Point
●Vogt-小柳-原田病(VKH病)は,メラニン色素を産生するメラノサイトに対する自己免疫疾患で,ぶどう膜髄膜炎症候群として知られる。両側性,慢性,広範性肉芽腫性の汎ぶどう膜炎であり,しばしば中枢神経系,聴覚系,上皮系の傷害を合併する。
●VKH病には,前駆期,眼病期,回復期,慢性再発期がある。耳症状は比較的多く随伴する症状で,発症早期から認められることが多い。
●VKH病の診断は主に臨床的特徴に基づいており,国際診断基準が2001年に報告され,完全型,不完全型,疑い型に分類される。
●治療の中心は,高用量全身性コルチコステロイドの経口または静脈内投与である。眼科領域では本邦を含め各国で治験が行われ,効果が認められているプロトコルもある。これらの治療法が聴力改善に有効かの検証が待たれる。
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